2019年ベース地図の比較(見た目重視の定性的比較)  朝日向猛

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祝、新元号「令和」

さて、Google Map(グーグルマップ)がゼンリンとの提携をやめて、地図の劣化が目立つ(特に道路の表記)、という投稿が目立っている。
細街路や歩道とかが表示されない、バス停も消えた、みたいことのようだ。
そこで、各種ネット地図が細街路をどの程度まで表現しているのかを探ってみることにした。

地図を比較する地域は、密集市街地で細街路が迷路のように交錯する東京都北区中十条2丁目とした。
この周辺は、細街路で有名であり、タモリ倶楽部にも「東京細道ツアー北区赤羽・十条編」として登場する。(2016/06/24)。
道幅が1間(1.8m)にも満たないような細街路というか路地というか、家と家の隙間の通路が多数存在する。

まずは、新しくなったグーグルマップ。
まあ、こんなものかというような路地の示し具合。
地図の中央付近を左右(東西)に通るのが「十条中央通り」で、真中あたりに「篠原演芸場」があります。


次に、比較対象としてのゼンリン地図。
ゼンリンはネットで閲覧できる地図として「いつもNAVI」を公開している。
この他に、主として紙ベースで販売されている「住宅地図」があり、毎年または2年に一度、調査委員が歩いて各家の表札を確認して地図の家いに居住者の苗字とかを貼り付けている。
「住宅地図」はかなり詳細だが、ネットで公開しているゼンリン地図でもグーグルマップよりは詳細に描かれている。


次は、国が公表している「地理院地図」
地理院地図は拡大していくと家屋や細街路も表示される。この拡大版は、1/2,500で整備している自治体の公共測量結果のデジタルマップを利用している。
さすがに、グーグルマップよりも細かく表示されるが、ゼンリン地図と比べると、、、、ゼンリンのほうがさあに細かいかな。


それから、みんなでつくるオープンストリートマップ。
これは作成者の熱意と努力により作図精度が変わるものであるが、十条辺りでは、まだまだ未整備のところも多く、当地域も細街路の表現はだいぶ端折られている。



ここまで見た感じでいくと、細街路が詳細なのはゼンリン地図かな。
そして、次に地理院地図。公共測量をもとにしているだけあった、建物や道路の形態や位置が正確。
そして、グーグルマップ。十条近辺の細街路は、歩行者が通れる程度で、自転車だと角を曲がるのに難儀するような細さ。
これはこれでよく表現してると思います。


で、番外編ですが、行政が管理している道路の地図(道路台帳)はというと、こんな感じ。
これは区役所が管理している「特別区道」を表示したもの。1/500の精度で作成され、道路の幅まで示されています。
ただし、原則、区道を示しており私道は示されていません。また、家屋の形などもわかりません。


そして、番外編2は、東京都下水道局が公開している下水道の管理地図。
下水道は原則的に各家が接続することから、かなり詳細な管路図と道路が描かれている。
こういう、ライフライン系の管理地図は、道路を利用して各家と接続しているので、とっても詳細に描かれている。
グーグルのストリートビューもすごいんだけど、こういう管理地図をベースに使えれば、本当にすごい地図ができるんだけどな。




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