各都道府県間の道なりの距離マトリックス 朝日向猛

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Google Maps API(DistanceMatrixAPI) を用いて、都道府県庁間の道なりの距離を計測してみました。設定は、高速道路あり、自動車交通による距離です。北海道や沖縄は、フェリーを使うようになっています(グーグル側の設定)。
やっていることは、Google Mapsのルート検索と同じで、各都道府県庁(の本庁舎)から別の都道府県庁本庁舎までの道なり距離をエクセルVBAで自動化して検索し歩行時間を抽出します。Google Mapsの距離とは、最短ルートの道なりの距離です。
各都道府県間の距離とすると、どこを出発地・目的地にするかが問題になります。行政区域の重心の位置が考えられるのですが、東京都等は小笠原などの島しょ部を含み、重心点が海上に位置することも考えられます。また、北海道などでは重心点が急峻な山の中になったりして、そもそも道がないというような問題が起きそうです。そこでこの案は却下し、各都道府県の本庁舎からの距離にしました。
なお、都道府県庁(本庁舎)は47箇所にありますので、各都道府県間の組み合わせは、47個から2つ選んだコンビネーションなので、
47C2 = 47!/2!*(47-2)! となり、
47✕46/2=1,081回の検索が必要になります。手動でもできますが、ちょっと大変だと思います。

計測結果を示します。みやすくするため、表頭側を出発地、表則側を目的地にしました。
また、EXCELの自動的な色つけツール(ツール名称、知らない。。。)をつかって色付しました。

(下図)各都道府県間の道なりの距離(km)
各都道府県間の道なりの距離(km)

こういうのをつくると、各都道府県間の距離を合計して、最短都道府県、最長都道府県を計測したくなります。
そのため、距離マトリックスをつくり合計をしてみました。
その結果は、次表のとおりですが、最短は滋賀県、最長は沖縄県でした。

(下図)各都道府県間の道なりの距離マトリックス(km)
各都道府県間の道なりの距離マトリックス(km)

道路を用いた自動車による移動では、滋賀県庁が日本の中心性ナンバー1でした。
鉄道にしても、隣接行列にしても、だいたい、滋賀県、京都府、三重県あたりが中心性が高いんですよね。
信長が滋賀を拠点にしたのもうなずけたりします。




直線距離との関係も気になりますよね。はい。 そこで、GISで各都道府県間の直線距離も計測してみました。

(下図)各都道府県間の直線距離(km)
各都道府県間の直線距離(km)

道なりの距離と直線距離を比較することで、迂回率が計測できます。
ちょっと前(20世紀くらいまで、だいぶ前かな)、こんな計測も容易にできなかったので、道なりの距離は直線距離に1.4倍するなどの迂回率を掛け算していました。なんで1.4なのかというと、正方形の最大離れた頂点までがルート2=1.4142・・・だからなのですが、そういう計算をしていくと、『いや、長方形もあるだろ』『ルート3=1.732・・・くらいが妥当だろ』とか押してくる人が少なからずいました。また、そういう人に限って話しが長くて、そして、いつの間にか自慢話に変わっていたりして。。。。
私的には、単なる係数であって『どっちでもいいだろ』『その話が時間の無駄』とか心のなかで思っていましたが、いまなら、こういうサンプル計算をして示せばいいでしょうね。意味のない長話を聞かなくて済みます。
で、迂回率もどきがこちら。

(下図)各都道府県間の迂回率もどき
各都道府県間の迂回率もどき

だいたい、1.3とか1.4くらいになっていますね。
よくみると、長崎県、山口県、和歌山県などで迂回率が高くなっています。半島状なので、隣接県が少ないためでしょう。
前述の迂回率を高くしろと押してくる御仁も、この辺りのご出身だったのかもしれません。
人によって、出身によって、迂回をどれくらい見込むかは違うのかもしれません。


GISでの直線距離マトリックス計測の際に、各都道府県庁(本庁舎)を地図上にプロットしたので、参考まで貼っておきます。
都道府県庁の本庁舎って、意外に偏っていたりするんですよね。山形県、福島県、長野県、岐阜県、愛知県、滋賀県、京都府、奈良県、鳥取県、島根県なんかが特に。

各都道府県庁(本庁舎)位置図


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